アゲハ~約束~

8.

 翌日から、ルフナとアゲハは一緒にいることが多くなった。

 ルフナが、積極的にアゲハを追ったのだ。



「ねぇアゲハ、アゲハが喜ぶことって何?」



 小さな図書館のようになっている場所、「読書場」


 ―――実際には、歴代卒業生が読まなくなった本をおいていっただけの場所――― 


 で本を読んでいるアゲハの隣でカメラの手入れをしながら、ルフナが聞いた。



「・・・別に・・・」



 考えたこと、ないから、と、彼女は冷たくあしらう。

 それに、むむぅとうなり声を上げてから、ルフナはもう一度トライする。



「じゃぁさ、俺の写真見たとき、どう思った?」

「――――・・・」



 アゲハの顔を覗き込んでたずねるルフナに、彼女は、本を閉じて向かい合い――・・・

 柔く、微笑んだ。



「・・・あなたそのものだと思った。」

「え・・・?」

「素直で・・・キラキラしてて・・・無邪気で・・・」




 うらやましかった。




「――――・・・」



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