アゲハ~約束~
第二話:発熱、と、恋愛

1.

 ルフナがやってきて、一月が過ぎ、二月が過ぎ。

 その間に、アゲハたちは高校生になった。

 アゲハ、幸人、夏梅の三人は、高校がばらばらになり、会うのは家でのみ。

 けれど、そんなわずかな時間しかあっていなくても、判った。



「・・・アゲハ。」

「・・・なに?」

「・・・お前、笑うこと多くなったよ。」



 夕食を食べながら、幸人は、向かい側に座るアゲハの頭をなでた。



「ルーのおかげかもな。」

「そうかな・・・」

「ルーといえばさ!この間ちゃんとした格好した写真がネットに出てたの!やっぱちゃんとさせれば格好いいよ、あの人!」

「・・・そう。」



 ―――高校に上がっても、幸人も、夏梅も、かわらない。

 もちろん、笑顔が増えたのはルフナのおかげというのもあるのかもしれない。

 あの素直さを、いつからか、見習おうと思えるようになった。

 だけど・・・だけど。



「・・・ありがとう。」

「え?」

「なにが?」



 二人が、変わらない。

 それが嬉しいのだということも、アゲハは、自覚していた。




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