アゲハ~約束~
「夏梅、一応うつるといけないから今日はあなたは空き部屋で寝なさい。」

「大丈夫。サチ姉の部屋に泊まるから。」

「そう。」



 寝かせて、布団をかけただけで皆は出てゆこうとする。



 そんな中で、ルフナはベッドの傍に立ったまま、動かなかった。



「ルー?早く出ろよ。」

「・・・あ・・・あの・・・」

「ん?」

「・・・オレ・・・ここにいちゃ駄目かな。」

「ええ?」



 それを聞いた幸人は素っ頓狂な声を上げて、頭をがりがりと引っかいた。



「そりゃ、まぁ駄目とはいわないけどさー・・・」

「お願い。・・・傍にいたいんだ。」

「・・・傍にって・・・いつまで?」

「アゲハが治るまで。」

「夜は?」

「・・・ここにいちゃ駄目かな。」

「・・・」



 幸人は、困ったように眉を上げて、隣にいる園長に目で問いかけた。


 どうします?と。


 園長は、そうねぇとやはり困ったように口元に手を当てて考え込んだ後・・・


 真剣な顔で、ルフナに聞いた。



「それは、どうしてですか?」



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