アゲハ~約束~
けれど、自分が聞きたいのはそういうことじゃない。
ため息をついて、もう一度顔を上げ、尋ねなおした。
「・・・じゃなくてさ。だからその・・・女として。異性として、好きなの?愛とか恋とか、しちゃってるの?」
そこんとこ、どうなのさ。
幸人が呆れ顔で尋ねると、ルフナはしばらく考え込んだ後――・・・真顔で、逆に尋ね返した。
「幸人は、アゲハが好きなの?愛したり恋したりしてるの?」
「俺がきいてんの。」
「そっちはどうなのさ。」
「~~~~・・・」
これは、自分が答えないと答えないつもりだな。
判った幸人は、がりがりと頭を引っかいて、背中を後にそらせた。
「・・・愛とか恋とかは、していない。・・・なんていうかな。歳が同じの、妹みたいな感じ。」
「妹・・・」
「俺達、こんな小さいころから一緒だからさ。」
好きだとか、愛だとか。
そんな感情が芽生える前に生まれていたのは、見守らなくてはという意識。
兄としての愛情が芽生えるのが先で、たとえ恋が芽生えても、その兄の壁を登る気もなく、枯れてゆくような気がしていた。
ため息をついて、もう一度顔を上げ、尋ねなおした。
「・・・じゃなくてさ。だからその・・・女として。異性として、好きなの?愛とか恋とか、しちゃってるの?」
そこんとこ、どうなのさ。
幸人が呆れ顔で尋ねると、ルフナはしばらく考え込んだ後――・・・真顔で、逆に尋ね返した。
「幸人は、アゲハが好きなの?愛したり恋したりしてるの?」
「俺がきいてんの。」
「そっちはどうなのさ。」
「~~~~・・・」
これは、自分が答えないと答えないつもりだな。
判った幸人は、がりがりと頭を引っかいて、背中を後にそらせた。
「・・・愛とか恋とかは、していない。・・・なんていうかな。歳が同じの、妹みたいな感じ。」
「妹・・・」
「俺達、こんな小さいころから一緒だからさ。」
好きだとか、愛だとか。
そんな感情が芽生える前に生まれていたのは、見守らなくてはという意識。
兄としての愛情が芽生えるのが先で、たとえ恋が芽生えても、その兄の壁を登る気もなく、枯れてゆくような気がしていた。