アゲハ~約束~
「・・・ご馳走様。」

「あらアゲハ、もういいの?」

「はい。」



「アゲハっ・・・」



 立ち去るアゲハを、ルフナは反射的に追いかけようとした。


 けれど。



「っ・・・幸人?」



 幸人が、その腕をつかんで席に座らせた。



「・・・素麺。あまるからさ。食べちゃってくんない?」

「あ・・・あまった素麺はチャンプルーにして・・・」

「く・え!」



 つまりは、追いかけるなといいたいらしい。



「・・・」



 仕方なく、ルフナはおとなしく椅子に座って、残りの素麺を頑張って平らげた。

 早くアゲハを追いかけたくて、足がうずうずしていた。

 そんな足を、幸人が、踏んづけた。




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