アゲハ~約束~
 それに気付いて、ルフナはあわててフォローに回った。



「でも大丈夫!・・・オレは必ずアゲハのところに帰ってくるから。」



 そういって、ぎゅっと彼女を抱きしめる。



 大丈夫だよと、何度もささやいて。




「・・・出来ない約束、しないでよ。」

「出来るよ。・・・何があったって、きっと傍にいる。オレは、アゲハとの約束は破らない。」

「・・・どうだか。」



 その言葉こそ、信じていないような、冷たいものだった。

 けれど、アゲハだってもちろんそれを信じたかった。

 だから、その胸に顔をうずめて、手を後に回した。


 ルフナはそれに応えて、抱きしめる。





「・・・傍にいるから。」





 ―――何度も繰り返されるその暖かい声に、救われるのだ。



「アゲハが、世界中の誰より好きだから。」



 抱きしめるその体温が、優しくて。―――いつもアゲハは、泣きそうになる。



「俺世界中回ってるから、判るもん。アゲハくらい好きだーって思う人、いなかった。」



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