アゲハ~約束~
2.
ある日アゲハは、ルフナと海へ出かけた。
学園は歩いて五分で海岸に出る。
だから、海へ行こうといって海へ行ったというよりは、散歩の末に海へたどり着いたという感じだろうか。
シーズンオフの海には誰もおらず、ただ赤い空と青い海が、地平線の向こうで溶け合っていた。
アゲハは、ビーチグラスや貝殻を拾って歩く。
そんな姿を、ルフナは写真に収めてゆく。
波の音しか聞こえない、静かな時間だった。
「そんなに拾って、どうするの?」
ルフナが、笑いながら言う。
アゲハの手のひらには、小さな貝殻やビーチグラスが小さな山になっている。
アゲハは、自分でもそれに気付いて笑う。
「夏梅がね、好きなのよ。ビーチコーミング。」
最近はやらなくなったけど・・・といいながら、拾ったものを仕分けするしぐさは、なれたものだ。
「つき合わされてるうちに、慣れちゃった。」
そういって、彼女は柔く笑う。
「あの子、すごいの。キャンドルホルダーとか作るの。器用なのよ、すごく。・・・そういうところ、うらやましいな。」
仕分けをしながらそういっていると。
「・・・ふふ。」
ルフナが、小さく笑った。
学園は歩いて五分で海岸に出る。
だから、海へ行こうといって海へ行ったというよりは、散歩の末に海へたどり着いたという感じだろうか。
シーズンオフの海には誰もおらず、ただ赤い空と青い海が、地平線の向こうで溶け合っていた。
アゲハは、ビーチグラスや貝殻を拾って歩く。
そんな姿を、ルフナは写真に収めてゆく。
波の音しか聞こえない、静かな時間だった。
「そんなに拾って、どうするの?」
ルフナが、笑いながら言う。
アゲハの手のひらには、小さな貝殻やビーチグラスが小さな山になっている。
アゲハは、自分でもそれに気付いて笑う。
「夏梅がね、好きなのよ。ビーチコーミング。」
最近はやらなくなったけど・・・といいながら、拾ったものを仕分けするしぐさは、なれたものだ。
「つき合わされてるうちに、慣れちゃった。」
そういって、彼女は柔く笑う。
「あの子、すごいの。キャンドルホルダーとか作るの。器用なのよ、すごく。・・・そういうところ、うらやましいな。」
仕分けをしながらそういっていると。
「・・・ふふ。」
ルフナが、小さく笑った。