アゲハ~約束~

3.

 ルフナとアゲハの想いが通じ合ったのが高校一年の秋。


 それから高二、高三の秋までに、彼が何度か放浪に出かけはしたが、彼は必ずアゲハのところに戻ってきた。



 約束を、忠実に守った。



 愛してるなんて言葉は聞くことがなかったけれど、それでもいいと思えた。




 だって、幸せだったから。





「最近アゲハ、付き合い悪いぞ。」



 夏梅は、すこしすねた。

 ルフナが園にいる間は、アゲハは彼を離れなかったから。



「ごめんごめん。でも埋め合わせしてるでしょう?」

「判ってますよ。どうせ、私たちは二番目・・・」

「そんなことないって・・・」

「でもさ。」



 一番の理解者は、あいも変わらず幸人だった。



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