アゲハ~約束~

6.

 数日後、ロンドン空港から一つの小包がアゲハ宛に届いた。



 それは、ルフナが言っていた「空港での写真」―――。



 ――――ほら・・・飛行機っていつ落ちるか判らない、怖いところあるじゃない。――――



 ――――そんなときにさ・・・写真くらいアゲハに残せたらと思ったの。――――





「それでも・・・」



 戻ってくるって、言っていたじゃない。

 絶対に、私のところに、戻ってくるって。

 ねぇ、なのに。



 あなたはこんなものだけを残して、逝ってしまった。



 二度と帰ることのない旅へ逝ってしまった。




「・・・」



 ―――どうして?






 悲しすぎると、人は、涙も出ないのね。

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