心に咲く一輪の華
きっと片桐さんも隣の席の男の子も、皆離れていく...
でも、それでいいんだ
それが一番楽な道だから...
あたしは顔を背けて、また本を読み始めた
チラッと隣の男の子を見ると、間抜けに口をあけて固まっている
片桐さんに目を移すと、下を向いて微かに震えていた
泣かせてしまったかもと思ったが、今のうちに離れていってもらった方がいい
静かに様子を伺っていると、急に顔を上げ、あたしの手をとった
「な、何っ!?」
あたしは軽く悲鳴をあげた