恋花よ、咲け。




「…あ、潤 先に行ってて。」


「了解。」


潤は、分かっていたかのような顔で
奈穂を見た。


そして、少しウキウキで
楽しそうに
奈穂と健吾に背を向けた。


潤が見えなくなってから
奈穂が口を開いた。


「…アドだよね?」


健吾はそこまで大きくないから
視線を戻せば
目が合ってしまう。


「…あのさぁ
弘也が大袈裟に言ったんだよ。
可愛くないって訳じゃなくて
こんな早い段階でアド交換だなんて
望んでないんだょ。
弘也が 「それじゃ アド交換しよ!!」
とかって言って…。」


奈穂は顔をあげてみた。


健吾は
真顔なのに すごく赤くなっていた。


「…ごめんね、急で。」




< 14 / 225 >

この作品をシェア

pagetop