恋花よ、咲け。




高木がいつもバスに乗る駅。


…高木を取り巻く全てが愛しい。


足が自然と止まる。


バスケ部は確か 俺が学校を出る前に
一斉に帰っていったっけ。


じゃあ 今日はもう会えないな。


会ったらきっと気まずいから
そっちの方が良いんだけど。


すっかり日の落ちた西の空を見上げる。


乗るわけではないが バス停の椅子に座る。


いろんな意味で疲れた。


「…はぁー……。」


高木と明日会った時 俺は笑えるだろうか。


そんなことばかりが頭を回る。


冬休みはもうすぐだ。


そしたら暫く会わずに済む。


だからっていうのもあって 今を選んだんだ。


そんなこと考えていたら
すごく寒いのに 眠たくなった。


愛しいけど 今は避けたい香りがしたから。




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