恋花よ、咲け。




_____。

皆が体育館を出て行く中
一人残って3Pシュートを打ち続けた。


冬なのに 汗がだらだらと流れる。


打って 打って 打って
体育館に ボールとリングが接触する音が
深く響き渡る。


部活が終わった6時30分はとっくに過ぎ
時刻は7時00分を回っていた。


「…っはぁ そろそろ行かなきゃ…。」


がむしゃらに打ち続けたため
体育館のあちこちに ボールが転がっていた。


急いで片付けなくちゃ。


2面コートの体育館の隅々を回り
必死にボールをかき集めた。


早く帰らなきゃ お母さんに怒られるから。


やっと体育館を片付け終わり
制服への着替えが済んだのは
7時30分を過ぎた頃だった。


______ビュッ。


「…っぁ さむっ。」


冬休みを直前にした 12月半ば。


かいた汗が急激に冷え 私の体温を奪った。


足早に学校を後にして バス停に向かう。


早くバスに乗りたい……。


とにかく寒くて 体は芯から冷えていた。




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