恋花よ、咲け。
佐々木の隣に 静かに座った。
どうか、目を覚まさないで。
あなたの想いや気持ちから
今はまだ 目を背けていたい。
知らないフリをしていたい。
まだ 弘也を好きでいたい……。
だけど 弘也に大切な人がいるのは
知っているんだ。
今日 部活前に聞こえた噂話。
『ねっ 瑞月くんの彼女って
同じクラブチームのマネージャーらしいよ?』
"らしいよ?"だから
ホントにそうかは分からない。
だけど "瑞月くんの彼女って"だから
もう 彼女"かもしれない人"じゃないんだよね。
覚えてるんだ 噴水の公園でのこと。
『まみー。』
"まみ"だったよね 確か。
気が強そうだけど 背が高くて
自我が強くしてしっかりした人に見えた。
遠くでまみさんを呼ぶ声は
絶対に 確実に弘也だった。
現実から逃げようとは思わない。
弘也に彼女がいるなら
あなたは今幸せで それは凄く素敵なことだ。