恋花よ、咲け。




「……起きてたの…!?」


「今起きた。」


高木が目を見開かせ それからそっと笑った。


「…泣かないよ? 強い子だから。」


何だよそれ 意味わかんねー。


柱に預けた体を起こし グーっと伸びをする。


「…っぅ さむ。」


こんなに寒いのに よく寝れたな俺。


「……寒いよね もう冬休みだもん。」


マフラーをそっと巻き直す高木の鼻は
もうすでに真っ赤だった。


「時間 大丈夫なの?
もう8時になっちゃうよ。」


いつだって他人のコトばかり考えて


「いつからココに居たの?
ずいぶんと冷たかったけど 頬っぺた。」


さりげなく優しくて


「あ、マフラー使う?
私 バス一本で帰れちゃうから。」


簡単に自分を犠牲にして


「今日 たくさん3P打ってきたんだ!
コートとゴールとボール
完全独り占めだったのー!!」


自分にいつでも正直で




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