恋花よ、咲け。




_____。

冬休みに入り 相変わらずの寒さの中
今日もある練習に 朝早く起きた。


「…っぁあー…。」


大きな欠伸をしてから 家を出る。


昨日の晩にちらついた雪が
まだ少し路上に残っていた。


「ヒロッッ!!」


こんなにも寒いのに よくあんなに
跳び跳ねていられるな。


「…ガキかよ。 寒くねぇの?」


「えー 寒いけど平気だよっ?
ヒロと一緒にいられるならね!!」


ぎゅっと繋ぐ小さな手は
氷のように冷たくて すぐにポッケに押し込んだ。


「…舞未 手ぇ冷たすぎ。」


「手が冷たいのは 心が温かい証拠だからイイのー!!」


なぁ これが正解だと思わないか?


高木と健吾だって 噂になってる。


だから 別に良かったんだ。


飯野だって 舞未と帰っているのを見て
笑顔で「やっぱ叶わないわぁ!」
って 諦めてくれた。


全部が 丸く収まったじゃんか。


高木のコトが好きだから
俺はこの選択肢を選んだんだよ。


………高木?


だから 泣かないでくれ。


健吾とずっと 笑っていてくれ。




俺と 約束しよう…?


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