恋花よ、咲け。
食堂を出てから 健吾と2人で教室に戻ると
教室で「ぎゃーっ」と騒ぎ回る
2人の女子が 私に寄ってきた。
「奈穂ー? ちょっとおいで!!」
その2人とは 私に弘也の噂を流した
例の 気の強い2人のことだ。
「ねー、ついに手に入れちゃって!!
あん時 弘也の噂話した時さ
あんなに興味無さ気だったのが
よーく分かったよぉ。」
黙っていればもっと可愛いのに
本当に勿体ない2人だ。
「…ありがとう。」
他愛の無いgirlstalkも
彼氏がいる今なら 少し甘い。
もうすぐで 学年が上がる。
長かった1年生が終わる。
クラスが変わり 後輩ができ
新しい生活が また生まれていく。
その自然の流れの中で私は
特に逆らうこと無く生きているけれど
もしも過去に戻れるのなら
私はもう一度… もう一度だけ
あの日 あの時 あの場所で
今を作る過去を塗り替えたい。
こんな寄り道も 遠回りも
嘘も 企ても 裏も 嫉妬も プライドも
私たちを邪魔したすべてを消し去った世界で
あなたと共に行きたいと願う。