恋花よ、咲け。
よく晴れた空に 真っ白な雲がよく映える。
「…今日は イイ天気だな。」
「お弁当 一緒に食べたいね。」
「……あぁ。」
教室に戻ったのは チャイムが鳴ってから。
非常階段から出ると 校舎のなかは
すごく暖かかった。
教室の前で 健吾が彼女を呼んでいる。
あぁ、見たくないな。
完全に健吾をスルーして 教室に入ると
お弁当を持って 健吾の元へ急ぐ高木。
ちらりとも見ずにすれ違うのは
もう慣れたことだった。
「おい弘也ー、食堂行くか?」
「俺今日 屋上がイイ。
よく晴れてんだよ 今日の空。」
舞未も見ている空。
同じ 青い空だ。
「……はぁ…。」
何だか 息をついて落ち着けた気がした。
"舞未"
それが 今の俺を保たせる
大きな存在なのかもしれない。