恋花よ、咲け。
奪ってやりたいよ。
今までみたいに。
だけど 今俺が高木に手を出しても
簡単に振り払われるのは目に見えている。
…アイツは俺を好きだった。
そんなのは 分かっていた。
あの日 ベンチで話したあの時。
高木の涙の意味くらい 理解できたさ。
……もう少し早ければ。
あと少し早ければ 俺は舞未を選ばなかった。
てっきり 高木は健吾を選ぶとばかり…
舞未のこと 好きな訳じゃないんだ。
言われたんだ 舞未に。
『私のこと 好きぢゃないでしょ?
なのにどうしてはっきりフラないの?
…私 あのコには負けない。
好きの気持ちなら 絶対負けない。
……1%でもいいんだよ。
弘也の中に 1%でも私がいてくれるなら
それで私は十分なの。
だから お願いがある。
…弘也を振り向かせるため。
その1%に かけてください。」