恋花よ、咲け。
_____。
『お前今どこにいんだよ!
…分かった 絶対にそこから離れるなよ?』
……どうして?
どうして私を探すのよ。
健吾はホントに 馬鹿みたいに優しい。
こんなに素敵な人を私は失った。
手放した。
何を今更言っているのだろう。
……でも今一番会いたいのは 健吾なんだ。
弘也が好きで
だけど叶わないから 諦めようと必死で
私を好きになってくれた健吾にすがった。
健吾しかいないんだ 私を変えられるのは。
そう 心から思った。
全部順調に 穏やかに進んでた。
私は次第に健吾に惹かれ
気が付けば 弘也のことだって忘れてた。
なのにあの人はずるいから。
私は健吾を捨てた。
弘也をとったんだ。
なのに私…フラれても……
……最低だ 私。
今でも弘也が好きなんだよ。
こんなにも好きなんだよ?
なのに今一番会いたいのは 健吾なんだ。
「…っはぁ はぁ 舞未っっ!」
私は彼の温かい胸に飛び込んだ。
優しくて ちょっと切なくて
知らない香りもしたけれど
懐かしい健吾の香りが 私の心を癒した。