恋花よ、咲け。




彼は入学当初から
女の子たちの
注目の的だった。


ルックスも 性格も 学力も 運動神経も
どれも完璧だ。


奈穂も 彼を見てすぐに
恋に落ちた。


こんなにカッコイイ
まるで少女マンガみたいなことが
この世には存在するのだ。




「うわぁ ギリギリじゃんか!!」


奈穂が幸せに浸っている時
さっき彼が言っていた
健吾という人が
隣の席についた。


すると 当然のように 弘也が振り返った。


「おぉ 健吾! 席近いな。
ってか お前来んの遅くない?」


「ちょ 聞いてよ! 山崎がよぉ____」


授業中も 弘也君と健吾って人は
話し続けた。


弘也君が 笑って振り返ってくれると
奈穂も その顔が見えて
とっても幸せな時間だった。




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