恋花よ、咲け。




そしてその日の部活帰り。


潤は今日 腰が痛いからと言って
病院に行っている。


バスケのやり過ぎか
単なる疲労か何かで
腰を痛めていたのだ。


そんな
一人ぼっちの帰り道でのコトだった。


「…今日は 一人かぁ…。」


奈穂は 高校から家まで
バスで通学している。


べつに 私立校でもないから
公共のバス。


奈穂が通う
望が丘高等学校のすぐ近くにある
バス停 望が丘。


奈穂は ここからバスに乗り
家の近くのバス停で降りる。


奈穂が 望が丘のバス停で
大きなあくびをしていると
「…ねぇ 高木だよねぇ?」
と 男子の声がして 振り返った。


するとびっくり それは弘也だったのだ。


「…わぁ!」


奈穂は 声を出して
恥ずかしい気持ちを かき消した。


「…あのさ いきなりなんだけど イイ?」


「うん いいけど。」


好きな人に対していると言うには
ちょいと無愛想な返事だった。


「…あのさぁ、高木のコト
かわいいって言ってる奴がいて
んで もし良かったら
…高木のアド そいつに
教えてあげてもらってもイイ…?」


…え。




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