恋花よ、咲け。




あぁ、南には
悪いことをしたな…。


そう思った。


だがどうしても
隼揮にも悪いことを…とは思えなかった。


正直あいつの口から
今になって出てくるとは思わなかった。


「………はぁ。」


最近ずっと 溜め息ばかりだな。


_____。

南と隼揮は 同中で健吾も含め
よく4人で遊んでた。


だが それに亀裂が入る。


そしてその亀裂は
今でも俺らの関係を邪魔し
更に大きくなっていく。


俺らは今 全く別の道を行く。


いや 俺らと言うよりか
俺と隼揮だろう。


南はそれほど
関係があった訳じゃない。


俺がいけなかったんだ。


傷付けるのは いつも俺だ。


だからだろうか。


あの隼揮の言葉が忘れられない。


"いいか弘也。
お前は誰にも何も話さない。
だからいつも 傷付くんだ。
少しは 頼れよ。"


アイツは俺は傷付くと言った。


だが、本当に傷付けたのは 俺だった。


なぁ隼揮、あの時健吾を傷付けたのは 俺だっただろう……?





< 76 / 225 >

この作品をシェア

pagetop