恋花よ、咲け。
flower.4 互いの過去 そしてキズ
_____。
季節は気付けば移り変わり
焼き付くような強い日差しの中
その学期を締めくくった。
「今日から夏休みかぁー♪
ねぇ奈穂 今度プール行こうよ。」
「イイねぇ!
わっちゃん細いから ビキニ似合うなぁ。」
私は気付けば沢山の友達に囲まれ
とても充実した毎日を送ってきた。
「奈穂ー? ちょっと来て!」
羽琴と話していたのを遮ったのは
奈穂の一番の親友、潤だった。
「なぁに? どうしたの?」
奈穂がわざわざ
潤のところまで来ると
潤は疲れきった顔をして
「コレ 1人じゃ運びきれないから
手伝ってくんない?」
と 坦々と述べた。
「…わ すごい量だね。
さすが 総務なだけあるわ。」
そう言って奈穂は
当たり前のように 潤の持ちきれなかった
大量の書類やノートを運び出した。
「うぅー… 重い…」
奈穂が教室を出てすぐ
早くも声をあげた。
そんなのお構い無しに
潤はスタスタと進んでいく。
そして 少し小走りに
奈穂が階段を駆け下りようとした時。