恋花よ、咲け。
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暑い、とにかく暑い。
喉はカラカラだ。
だから、自販機へ行こうと言う南に
反対はしなかった。
買ったジュースを飲めば
今まで鬱陶しかった 南のボケも
なんだかおかしさを増していく。
「ははは!! お前馬鹿だろ!!」
「うっせーよ、お前に言われたかないわ!」
「南黙れ、暑苦しいぞ。」
「弘也ー! んな事言うなよ馬鹿!」
コイツは本当に馬鹿だ。
だが なかなか面白い奴だ。
腹のそこから 笑いが込み上げる。
そんなバカをやりながら
階段を上っていると
前から下りてくる存在に気付く。
何故だか大量の書類を抱えている。
だからか よちよちと歩く姿が可愛い。
一方前を行く大峯は
高木より大量のノートを
抱えているのに スタスタと歩いていく。
…手伝ってやるか。
そう意を決し 高木の方を見ると
バチッと目が合った。
『手伝うよ。』と 言いかけた言葉は幻となる。
目をそらされてしまった。
異常なほどに早く。
思わず 眉間にシワを寄せ
顔が強ばってしまう。