恋花よ、咲け。
「分かっているクセに
お前は何でいつもそうなんだ。
…健吾は気づいてないだろ。
もう俺は傷つけるやり方はしない。
遠回しに言って______」
「だからお前は何も分かってないんだ!」
いきなりの大声に
不覚にもビックリしてしまった。
「…アイツは分かってるよ。
気付いてるよ、健吾は。」
弘也の顔に青みが増す。
息が少しずつ乱れてゆく。
「……っは?」
「…この前言われたんだ。
"弘也はどうして
同じことを何度も繰り返すんだ。"ってな。」
弘也は階段に座り込んだ。
「…お前の言う
誰も傷つけないやり方ってなんだ?
健吾に全てを隠し通すことか?
…もしそうだと言うなら
健吾の方がずっと大人だったな。」