恋花よ、咲け。




奈穂が弘也を好きになったのは
入学式だった。


一目惚れだった。


目が合った時に
優しく笑ってくれたんだ。


別に今は
付き合いたいわけではない。


近づきたいわけではない。


ただ ずっと変わらずに
見ていたかった。


今日はたまたま
数学の席が近くて
それで運よく 話せたってだけ。


確かにラッキーだが
今まで 願ってもいなかったんだ。


だから 所詮それだけの恋。


それでイイのだが
どこか虚しい。


今までは これで諦められたのに。


それじゃ
恋は今日で終わって
明日からは バスケ頑張るぞぉ!! って…




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