恋花よ、咲け。




今までに無かったほど
強い瞳で 暫く弘也を睨んだ後
非常階段をあとにした。


残された弘也は 頭をガシッとかいた。


「…結局俺は 何のために決めたんだ…?」


_____。

トイレにしては長すぎる…。


奈穂は なかなか戻ってこない弘也を
心配していた。


あれから佐々木もトイレと言って
弘也を追いかけた。


学校で迷うはずないし。


「はぁー…。」


弘也が図書室を出てから
溜め息ばかり出てきてしまう。


「奈穂、どぉした?
さっきから 溜め息ばっかり。」


りにーが心配そうに見てくる。


「…あぁ 疲れちゃって。 あは。」


疲れたのは本当だったから
決して嘘ではない。


「えー もう疲れたのー?
なんか 飲み物買ってくる?」


「あー、イイねぇ♪
冷たいの飲みたいなぁー。」


「うん、飲みたい!」


りにーの提案に
わっちゃんも潤も大賛成で
私も流れで「イイね。」と言った。


「ぢゃ ちょっと買ってくるね。」


図書室に 南くんと加川くんを置いて
自販機に向かった。




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