不器用な恋 2nd story
『麻妃は自己中なんかじゃない!アンタに麻妃の気持ちがわかんの?ふざけないでよ。夕姫奈は……』
きっと、このとき、咲夜華は夕姫奈の親のことを言いそうになったから、途中で言葉を止めたんだ。
『なに?ウチの親は顔色ひとつ変えず、実の娘と縁を切る人ですけど?』
夕姫奈もそれを感じ取ったらしい。
『誰もが、幸せなんかじゃないんだよ。咲夜華は黒崎 麻妃より、ずっとずっと恵まれてんだろ?アンタに同情されるなんて、黒崎 麻妃が可哀想じゃない。』
夕姫奈は冷たくそう、言った。
咲夜華は黙ったままで、夕姫奈を冷たく睨み付けた。