不器用な恋 2nd story
HRが終わってすぐに八神のところにいった。
八神は俺を見て、少し微笑んだ。
『ふふっ、由月の居場所ね?教えないわよ。ケンカの邪魔をさせるわけにはいかないからね。いくら、彼氏さんだとしても…ね。』
八神は不適に笑って、教室を出ていった。
『そんなに心配か?姫城のこと。』
紫之が俺の肩に手を置き、見透かしたようにニヤリと笑った。
『当たり前だろ。俺の女だし。』
『当たり前…ね。そんなこと言ってるわりに付き合ってるようには見えないけどね。帰りも行きも、俺とだし、学校でも、大して話さないし。』
紫之はメガネを押し上げ、呆れた顔を見せた。
『いや…まだ慣れないっつーか。』
俺は自然と手を首に当てた。
『それ、お前の癖。嘘ついてるときのね。』
紫之はニヤリと笑った。
『まぁ、距離をうまく縮められなくて、焦ってる、ってとこかな。』
紫之には全部お見通しらしい。