《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~
「花奏を…寝床に置いて、散歩ですか?」


「まぁな」


花奏は多分、恋愛には疎いから笹倉のキモチには気づいていない。



「花奏はいい女だ。朝まで俺を離さなかったぜ…」


笹倉は振っていた竹刀を止め、俺の方を睨み据える。


「何だ?その挑戦的な目つきは…やはりお前…花奏のコトを」


「別に俺は…あんたには関係ないだろ!?」



俺の己のキモチを見透かされて,笹倉は更に鋭い視線を向けて、声を荒立てた。



「俺は花奏の夫なり、お前を従える立場の人間になる。そうだろ?」


「俺はお前のお付きにはならない!」
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