《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~
襖は倒され、満ちた月の柔らかく白々しい光が部屋に差し込む。



突き刺さった槍を引き抜く朱色の髪に黒い角が2本の男。


紛れもなく鬼の姿をしていた。



「鬼?」


「僕は『紅鬼』の始祖・紅月(ベニヅキ)の霊魂を半分持つ…朱月(シュゲツ)」



「『紅鬼』の始祖だと?」


「僕にその女をよこせ!!!小笠原知弥」


その声の正体で朱月の正体がわかった。


-------滋弥だった。


でも、なぜ、滋弥が鬼に??それも始祖なんかに。


ヴァンパイアと呼ばれる元『紅鬼』たちは角を退化させて、失い、
容姿も銀色の髪と紫色の瞳のはず。





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