《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~
躰の震えが止まらない私は自分の為に鬼と戦った知弥のそばには行けなかった。



知弥も無傷ではなかった。


右腕を鬼に斬りつけられて、白装束が血で汚れていた。



「安倍邸の結界を破って、侵入して来るとは強い鬼ですね」


雨音さんが知弥の傷を手当。


ようやく、私も落ち着きを戻し、言葉を発する。



「大丈夫?知弥」


「ん、あ」


知弥はずっと、考え込み、黙っていた。







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