《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~
「初めて知った…知弥が陰陽庁の御用達の討魔師だって」



「そうか…」


「俺と夫婦となったからにはお前も俺と一緒に『妖退治』するぞ」


「え、あ…」


「『妖退治』よりも後継者作りの方が先決ですよ…知弥君」


憲久叔父様は私と知弥の会話に口を挟む。



「後継者は…まだ先ですよ…」


知弥にしては愛想良く笑い、憲久叔父様のお猪口に酒を注ぐ。


「俺は花奏を立派な安倍家本家の当主にします。それが今の俺の目標です」


「・・・それは分家としては楽しみですね」


「期待しておいてください…」


知弥の言葉は私にプレッシャーとして重くのし掛かった。






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