《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~
「俺…らしいか…クッ」
知弥は苦虫を噛み潰したような笑いを漏らす。
「変なコト言った?」
「別に…俺は今まで、自分の中に眠る妖の力は否定して生きてきた…。でも、お前に出会い、吸血鬼として己も受け入れた。更なる極みは前世、俺とお前を引き離した紅鬼の力…滋弥は鬼の力を受け入れ、強くなった。でも、俺はまだ、鬼に力を受け入れていない。前世の俺とお前のコトを考えると…何とも受け入れがたい力だからな」
「知…弥!?」
紫水晶の瞳が複雑な感情を孕ませ、静かに揺れている。
そんな知弥の瞳を白陽刃の刃が映し込む。
普段の知弥は物見高く、私をみんなを見ている。
傲慢で冷徹な人。
でも、知弥の中にも弱い部分が存在する。それが、吸血鬼の自分。
その弱さを嫌い、否定して、生きてきた。
激しい葛藤を繰り返して、己を限界まで追い詰めて、ようやく、吸血鬼の己を受け入れた。
私も知弥の全てを受け入れる覚悟はできている。
知弥は苦虫を噛み潰したような笑いを漏らす。
「変なコト言った?」
「別に…俺は今まで、自分の中に眠る妖の力は否定して生きてきた…。でも、お前に出会い、吸血鬼として己も受け入れた。更なる極みは前世、俺とお前を引き離した紅鬼の力…滋弥は鬼の力を受け入れ、強くなった。でも、俺はまだ、鬼に力を受け入れていない。前世の俺とお前のコトを考えると…何とも受け入れがたい力だからな」
「知…弥!?」
紫水晶の瞳が複雑な感情を孕ませ、静かに揺れている。
そんな知弥の瞳を白陽刃の刃が映し込む。
普段の知弥は物見高く、私をみんなを見ている。
傲慢で冷徹な人。
でも、知弥の中にも弱い部分が存在する。それが、吸血鬼の自分。
その弱さを嫌い、否定して、生きてきた。
激しい葛藤を繰り返して、己を限界まで追い詰めて、ようやく、吸血鬼の己を受け入れた。
私も知弥の全てを受け入れる覚悟はできている。