《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~
母上が意識を戻した俺に面会。


「何としても…もう一度…天狐と接触して、退治を成功させないとね。知弥」


「それは承知しております。母上」


何としても、俺は天狐から花奏を奪い返さなくてはならない。

小笠原家一門のためにとか、そんなのはどうでもいい。


俺自身の為だーーー・・・



「天狐に匹敵する力はあなたにも備わってるでしょ?その力を覚醒させなさい」


「・・・」


母上は俺の中に眠る『紅鬼』の始祖・紅月の力の覚醒を望んでいる。


天狐との対戦を好機だと考えている。


不敵な薄笑いを浮かべる母上。


俺の今の力では神に近い力を持つ天狐には勝てない。この間みたいにボロボロにやれるのがオチだ。


「嫌だと言っても…今の知弥の力では天狐から花奏さんを助けるコトは難しいわよ」


「兄上が謹んで、『紅月』の力を覚醒させるなら、僕も協力するよ」








< 170 / 212 >

この作品をシェア

pagetop