《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~
「お前は大丈夫なのか?朱月の力を過信するとそのうちお前自身が食われるのではないと心配だ」



「僕に気遣いは無用。共にライバルですから」



「ライバル?」


「桜の君をを最初に見初めたのは僕ですよ。兄上」



「・・・」


前世も共に俺と滋弥は兄弟。花奏共、繋がり合っていた。



「だからお前は…俺と花奏の仲を?」


「別に…あの時は唯、血が欲しかっただけ。でも前世、花奏さんがあの桜の君だと知り、スキになりました。血だけではなく心も躰の全て欲しいです」


前世と同じで、滋弥は正直に言葉を紡ぐ。

前世の俺は口の上手な女たらしで、京中の噂の公達だった。


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