《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~
「鬼と狐のバトルとは見物だな~。俺の現地に赴き、見物したいが、あいにく忙しい…。失敗は許されない…わかってるな。小笠原知弥」


「はい」


「弟君も同行するそうだな~」

「はい、兄上の足で纏にはならぬよう、気をつけます」


「そうか~ふたりの武運を祈っておる」


「もったいなきお言葉…ありがとうございます」


「そう、畏まるな。俺とお前は同じ歳だ…。この退治が終われば、酒を酌み交わそうじゃないか~」


今日の智成様は上機嫌なご様子。普段は愛想なく、黙々と執務をこなすだけなのに、友好的な会話を俺に振ってくる。


「下がっていいぞ」

「はい」

智成様はデスクの椅子に腰を下ろして、パソコンのマウスを触り始める。



「失礼します」





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