《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~
* * *


仙狐は狐の中でも、一番妖力の強い狐。その狐を浄化したもんだから、一気に私の名前は有名になってしまった。


そして、晴れて、『陰陽庁』の陰陽師に仲間入りを果たした。


「これで…私もいつでも死ねる…花奏」


「お祖母様!?それはまだ、困ります」


「・・・」

隣に座る知弥は黙って、私とお祖母様のやり取りを見ていた。


「知弥様…花奏をこれからもお願いします…」


「はい。俺に全て、お任せ下さい…花奏と共に…日々、精進し、立派な陰陽師になってみせます!」


「頼もしい言葉じゃあ」


「花奏も一人前になったことですし、そろそろ」


「そうじゃあな…」


二人で何やら、頷き合う。


「何?何の話?知弥」


「褥(シトネ)を重ねるコトを許そう」


「褥って何??」


「後でこっそりと教えてやるよ」

知弥のくぐもった声が私の鼓膜を震わせ、届く。








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