《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~
「しかし…お前も無防備だな…俺の調子が良ければ…寝室なんかに入ってきて、襲われても…文句は言えないぜ」



「え~っ!?」


いつもの口調で、私の心を翻弄する。



「知弥様はタチの悪いご冗談がスキですね…」


「ふん」



千早さんは冗談だと言ってるけど、私には全然、冗談になってない。



先生は唇をヘの字に曲げて、輸血パックを見つめる。



「俺はこの通り…調子を戻した。このまま、居座るつもりなら、俺と一緒にベットで寝るか?」



「いいです!!帰ります!!!」

私は椅子から立ち上がって、足元に置いてスクバを手に持つ。







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