坂田家の日常
全くもって、姉貴のしゃくにさわるような事をした覚えがない。
「奈緒美ちゃん、ご飯は?」
「いらない」
「…………」
「尚斗、食べ終わったら、部屋にきな」
すんげー恐ろしい。
「尚斗くん、何かした?」
「何も……」
「奈緒美も年ごろなんだ。恋でもするさ」
「そうわね」
このおっとり夫婦は、どういう事かわかってない。
七海がわからないのはともかくとしてさ。
あの姉貴が冗談なんか言うはずねぇし!!
「尚斗兄、ドンマイ」
「奈緒美姉、なんかあったのかな?」
マジ不安……。