坂田家の日常
「どうした尚斗?」
「尚也からメール」
「何だって?」
「―――撮影が一段落ついたから会おうだって」
「よし、お化け屋敷は却下だな」
「セージくんずるい〜…」
よっぽどお化け屋敷が嫌だったのか、かなりセージは乗り気。
運よくも尚也が待ち合わせに選んだ場所は、ここからすぐ近くのお店だった。
「あっ、尚斗兄!!」
軽く手をあげ、俺達の方へ歩いてくる尚也。
尚也はさっきの制服姿とは違い、ラフな格好だった。
「撮影は大丈夫なのか?」
「次は日が暮れてからの撮影だから、今は自由時間」
「ふーん」