坂田家の日常
毎朝、寝癖のような天パみたいな髪型にするの、意外と大変なんだぞ。
クシを巧みに使い、俺の髪を直していく。
しかも描けてたメガネまで取られた。
「ホントだ、尚斗君だ」
――いつもの俺に戻ったじゃんかよ……。
「きゃっ!!尚斗君〜」
「っ…抱きつくな!!」
「もう照れちゃって」
「照れてねーし。つーか何で二人、ここにいるんだよ」
「あらやだ、嫉妬?」
「嫉妬じゃねーよ」
なんでコイツはそっちにしか持っていかねぇのかな。
「奏世先輩、このまま校内をうろつこうとしたんだ。目立つって言ってるのに」