坂田家の日常
「あ?」
「だって帽子じゃ髪の毛ボサボサになるし」
「せめて尚斗兄くらい変装してくださいよ」
「もう〜…」
コイツら、ただそれだけのためにここにいたのかよ。
セージといた時より、ドっと疲れた。
「尚斗兄、できれば校内案内してほしいんだけど……」
「え、ヤダ」
「それいいわね!!尚斗君と一緒にいられる!!」
「ヤダ……」
「じゃあ決定だね」
「尚也!!」
「知らない学校を人を避けながらうろつくのって、大変なんだから」
勝手に決めつけやがって……。
「菜緒子に頼めばいいだろ」
「菜緒子とは……無理」