坂田家の日常
俺はバッグを肩にかけ直し、家の方に歩き出した。
「よかったのか、尚斗?」
「何が?」
「曖ちゃんはともかく、奏世ちゃんは家に来るんじゃねーの?」
「それなら近くに車が停まってたから、あいつん家の運転手が連れてくるんじゃねーの」
「え、俺車で帰りてぇ!!」
「お前、今日は俺ん家来ないだろ」
「あぁ、そうだった!!」
それに今あそこで、雨宮奏世と帰るってのもおかしいし。
贔屓(ひいき)とかじゃなくて、なんかな。
「尚斗くーん!!」
案の定、雨宮奏世は、セージとわかれて一人で帰った後、家についた時にはすでにもういた。