坂田家の日常
こんなにも弱った姉貴を見るのは、初めてだろう。
「なんだかな……」
振り回されっぱなしだけど、この二人の間に何があるのか聞いちゃいけない気もする。
「ん……尚斗…」
「姉貴、大丈夫かよ」
「頭ズキズキする…」
「酒の飲みすぎ」
「ここは?」
「ロビー。控え室行くか?」
「んー…いい。ここにいるからアンタはあのバカを祝ってやんな」
「……そうする」
ここにいる限りは姉貴が何かをするはずもないから、俺は会場に戻った。
「尚斗兄、奈緒美姉大丈夫なの!?」
「あぁ…まぁ」
「奈緒美姉、何だったんだろね」