坂田家の日常
もう披露宴は終盤。
「尚斗兄、ケーキ食ってないからやる」
「別にいいって。尚也のだろ」
「俺は食べた。尚斗兄何も食ってないじゃん」
確かに今日はほとんど食べなかったな……。
「はぁ〜…」
このままで……いいのだろうか。
「尚斗兄ちゃん…?」
司会の人の最後の挨拶が終わる。
途端、来客が一斉に帰ろうとする。
「尚斗兄っ、どこ行くの!?」
俺は入り口に向かう人達の中を逆そうする。
「眞里さんっ…」
荷物を持ち、帰ろうとした眞里を止める。