坂田家の日常
目を見開く眞里と、息切れする俺。
「……奈緒美の事?」
「眞里さんは本当に姉貴が好きなんですか?」
「何を今さら…」
「榊さんに姉貴を渡しますよ」
「…………」
「俺はあなたか榊さん、どちらでもいいんです。姉貴が好きな奴にどうこう言うわけでもありません」
「…………」
「クリスマスの日に眞里さんは姉貴が好きだと言った。だけど付き合えない理由がある」
「…………」
「もうあの日から半年になります。これ以上姉貴を苦しめるような事をしないでください」
「…………」
「傍若無人だけど、姉貴は姉貴のままでいてほしいんです」
眞里は、何も言わなかった。