坂田家の日常
俺が七海の年頃の時は兄弟が出来て、年の差とかは考えてなかったけど、高校生にもなると小学生との差を感じるようになった。
「あ、これはセージ君のかしら」
母さんが押し入れから取り出したボロボロの体操服。
何故セージの体操服がこの中にあるんだよ……。
俺達兄弟、体操服をボロボロにするまで体育の授業が好きじゃない。
だから必然的にこれはセージの物だという事がわかる。
あいつはボロボロの体操服をさらにボロボロにするほど、元気な奴だった。
……元気なのは今もだけど。
「本当に、懐かしいものばかりだわ」