坂田家の日常



母さんがにこやかに微笑み、そう言うから、何も言えなかった。



それほど二人は互いに、思いあってたんだろう。



「なぁ母さん、このアルバムまだページ余ってんのに、何も貼ってないんだけど…」

「えっと…そうね。パパとママの写真はこれで終わりね」

「続きないの?」

「もちろんあるわよ」



そう言って母さんはリビングにある棚に挟まれてるアルバムを取る。



家族みんな、そこにアルバムがあるのは知ってたけど、誰も見ようとはしなかったアルバム。



そのアルバムが続き?



「この続きはパパとママの思い出じゃなくて、家族みんなの思い出よ」



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